水田 元太
1. 水田 元太

2. 受け入れ可能人数: 1名

3. 研究分野
海洋物理学。最近は特に黒潮、メキシコ湾流の様な強い海流の出来かた、渦その
他の流れの変動との関係、海洋循環全体での役割について興味を持っています。
これまでにはオホーツク海の東カラフト海流とその変動や、全球の深層循環への
海底地形の影響に関する研究も行ってきました。研究手法としては、数値実験や
理論、場合によっては観測も織り混ぜて使ってきています。現実に目を向けつつ
も、それを理想化して背後にある原理を自分なりに理解してゆくことを目指して
います。

4. 現在およびこれまでの研究
(1)西岸境界流,続流の再循環の研究。
黒潮やメキシコ湾流の様な強い流れのある場所では、流れの渦やロスビー波など
の短周期で変動する擾乱によって元々の流れを倍以上に強める再循環とよばれる
循環が作られています。また全球の風成循環の運ぶ渦位やエネルギーが調節され、
循環全体の収支が釣り合う様になっています。この様な流れと渦や波の性質や大
規模循環との関係 について調べています。
(2)地形性ロスビー波と西岸境界流の研究。
ロスビー波に代表される惑星スケールの波動は単に海洋の変動を生むだけでなく、
整流作用によって定常的で大規模な循環を作りだす働きをします。そこで、メキ
シコ湾流域で観測される地形性ロスビー波に着目して地形生ロスビー波によって
西向きの反流が作られるという仮説について理論と数値モデルを用いて考察をし
ました。
(3)オホーツク海の循環の観測的研究。
オホーツク海の海氷や物質の主な南下経路であるサハリン東岸冲を観測するため
の共同研究に参加し、東カラフト海流とよばれる流れの構造、季節変動など基本
的な性質、海氷との関連、あるいは海底バンク上の強い潮汐の性質などを調べる
仕事に関わって来ました。
(4)オホーツク海の地形性波動の解析。
東カラフト海流の数日から数10日周期の変動を解析し、風との対応や陸棚地形に
沿って伝わる様子を調べたり、簡単な解析モデルとの比較を行いました。

5.その他
修士論文のテーマを始めから与えてしまうことはしないつもりです。学生の皆
さんの興味を持った分野で、私が役に立てることを相談しつつ、先行研究のレ
ビューをしてもらいながら、決める方針です。
詳しい研究内容や指導方針について知りたい方は気軽に研究室までに聞きに来
て下さい。
Course in Atmosphere-Ocean and Climate Dynamics