長谷部 文雄
長谷部 文雄

1. 受け入れ可能人数:2名

2. 専門分野:大気大循環、大気組成変動、物質輸送

3. 主たる研究対象:
 私が大学院に進学したのは、人間活動による地球規模の環境破壊と
して成層圏オゾンの問題が指摘され始めた頃でした。観測データに立脚
しつつ全球規模でオゾン変動の実態を明らかにすることが、私の研究の
始まりでした。興味の対象は成層圏から対流圏へと広がり、自らも観測
に手を染めるようになりましたが、主たる研究対象は、大気微量成分の
全球的変動を気象学的観点から理解することです。
 学生の希望に応えることを通して研究対象を拡大してゆけるのは、
大学に在籍する者の特権ですから、必ずしも過去に拘らないつもりで
やってきましたが、数年前からやや大きな研究費を頂いており、その
研究課題に集中的に取り組む責任を負うことになったため、テーマを
少し限定して提案しています。
(1) 熱帯対流圏界層(TTL)内大気科学過程に関する研究
 (a) オゾン・水蒸気変動の解明(SOWERプロジェクト)
 (b) データ同化によるTTL内気象場記述の高精度化
(2) 成層圏大循環・物質輸送過程に関する研究
(3) 人工衛星/高高度航空機観測データを用いた大気組成変動の解析
(4) 熱帯域大気循環場のラグランジュ的記述
(5) 赤道成層圏準2年周期振動におけるオゾンの役割

4. 研究指導方針:
 研究というのは楽な仕事ではありませんが、同時にエキサイティング
なものでもあります。修士論文を準備する過程で皆さんに期待するのは、
学術的成果を追求することもさることながら、自らが不思議だ・面白い
と思う現象を選択し、その解明に向けて必要な事柄を学び、他人の批判
に耳を傾けつつ自分の頭で考えぬき、得られた結果を論文としてまとめ
上げるという一連の作業を、自らの意志と責任で成し遂げることです。
その過程を共有する教員として私を選んでみようかと思う人は、どんな
ことに興味があるかを説明できるように準備した上で、C304までどうぞ。

5. 参考:
 私が北大・地球環境で指導教員としておつき合いした学生さんの研究
テーマ等については、下記をご参照下さい。
http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~f-hasebe/member.html
Course in Atmosphere-Ocean and Climate Dynamics