平野大輔
1. 受け入れ可能人数:1名

2. 専門分野: 海洋物理学、極域海洋学
 南極海および北極海に出向いて現場観測を実施し、得られた観測データを解析
するという観測研究を行ってきました。近年では、現場観測データだけでなく、
数値実験の結果や人工衛星プロダクトなども併せて解析を行い、多角的な現象の
理解を重視して研究を進めています。

3. 現在進めている・興味を持っている研究テーマ

南極・北極海ともに、私の研究キーワードは“暖水”です。
南極海:東南極沿岸域の氷河—海氷—海洋相互作用について
・ 暖水(周極深層水)の流入による氷河(棚氷)の底面融解
・ 底面融解に伴う南極沿岸海洋の淡水化(低塩分化)が南極底層水の形成量や
水塊特性へ与える影響
・ 沿岸ポリニヤ域への暖水流入プロセスと海氷成長に対する影響

北極海:米国アラスカ州バロー沖に形成される沿岸ポリニヤについて
・ バロー沿岸ポリニヤの形成・変動機構
・ バロー沿岸ポリニヤで形成される高密度水の特性と形成プロセス
・ 北極海盆域のベンチレーションや成層構造に対するポリニヤ起源高密度水の
寄与
・ バロー沿岸ポリニヤへの暖水(大西洋水)流入が生物生産に与える影響

4. 研究指導方針
 たとえ同じテーマを掲げて同じ観測データを解析しても、人が違えばそれぞれ
異なる解釈にたどり着くことが多々あります。様々なレベルの議論を通じ、それ
が最終的に新たな発見や知見となる場合もあれば、当然ボツになることもありま
す。主体的に、常に自分なりの考え・問題意識を持って研究を進める姿勢が大切
だと考えています。ですので、研究テーマはこちらから一方的に提示することは
せず、希望する学生さんと相談の上決めたいと思います。希望する方、興味を持
たれた方は、気軽に話を聞きに来てください(部屋は低温研N214)。

Course in Atmosphere-Ocean and Climate Dynamics