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第 37 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:1999年 9月 6日(月) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講堂

発表者:荒井 美紀 (気候モデリング講座 D3)
題 目:ブロッキング現象の維持に対する総観規模擾乱の役割

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ブロッキング現象の維持に対する総観規模擾乱の役割 (荒井 美紀) 発表要旨 :

   中緯度対流圏で観測されるブロッキング現象の生成、持続、消滅のメカニズムを明 
 らかにするため、典型的なブロッキング現象の流れの場と似た、南北に双極子構造を 
 持つ定常解であるモドン解がそのモデルとして提示されている。既にf面順圧渦度方 
 程式を基本方程式とする数値モデルにおいて、解析解であるモドン解と帯状流の卓越 
 した波動成分の振幅の小さい数値解の二つが存在することが示されているが、ここで 
 は、β平面等価順圧渦度方程式を用いてより現実的な状況でのブロッキング現象への 
 モドン解の適用を考える。 
  
   粘性係数を追跡パラメータとして定常解の分岐を調べた結果、二つの定常解が確認 
 された。これらはf面の数値実験で見られた双極子構造を持つモドン解と帯状流成分 
 の卓越する解に対応している。 
   この二つの定常解に対する総観規模擾乱の役割を調べるため、総観規模擾乱を模し 
 た渦強制を与え、これが二次的に誘起する流れの場を求めた。その結果、基本場とし 
 てモドン解を取った場合と東西流が卓越する解を取った場合の双方で基本場を維持す 
 る構造を持っていることが分かった。すなわち、時間平均でみた総観規模擾乱はそれ 
 ぞれの定常解を維持していることになり、ブロッキングの維持の説明が出来る。 
   さらに、特異値解析の結果より特にモドン解については最小の特異値が他に比べて 
 特に小さく、強制の性質によらずに定常解を維持するような二次的な流れが現れてい 
 ることが明らかになった。 
   また、この渦強制による定常解の維持について、モドン解に対しては定常解によっ 
 て変形を受けた渦のフィードバック効果であるとする仮説があるが、これを渦度フラ 
 ックス等の解析によって検証する。 
  
 次回の発表者   稲津 将(気候モデリング講座 M2) 

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連絡先

伊藤 頼 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻大循環 / 気候モデリング講座
mail-to:yori@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2357