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第 51 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:1999年 12月 6日(月) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 A棟 2F 講堂

発表者:奥村 夕子 (大循環力学講座 M2)
題 目:「大西洋の大気海洋システムにおける準10年変動」

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「大西洋の大気海洋システムにおける準10年変動」 (奥村 夕子) 発表要旨 :

  近年、10年程度の周期をもつ気候システムの変動が注目を集めている。大西洋域で見ら 
 れる準10年周期の変動は、南大西洋からグリーンランドまで及ぶサンドイッチ状のSSTア 
 ノマリパターンと、NAO(North Atlantic Oscillation)と呼ばれる気圧のシーソーパター 
 ンで特徴付けられる。種々の大気大循環モデル(AGCM)や結合GCMの結果から、長い時間ス 
 ケールでの大気海洋相互作用がこれらの変動において本質的な役割を果たしていること 
 が明らかになりつつあるが、具体的にどのプロセスが振動の位相や周期を決める上で重 
 要なのかは、未だよくわかっていない。 
  
 本研究では、熱帯大西洋における10年スケールのSST変動(SST Dipole:赤道に関して南 
 北反対称な符号をもつSSTアノマリ)が大気循環場にどのような影響を及ぼすのか、また 
 その大気の応答は海洋にどうフィードバックするのかという、熱帯と中高緯度の 大気波 
 動と大気海洋相互作用を介した繋がりに着目し、AGCM 及び 混合層モデル(ML-AGCM)を用 
 いて幾つかの実験を行なっている。 
  
 今回の中間発表では、前回までに得られた SST Dipole に対する AGCMの応答を熱帯大気 
 の熱的構造、季節変化、storm trackの変化等について新たに解析した結果を紹介した 
 後、中高緯度での大気海洋相互作用が大気の応答を形成する上でどのような役割を果た 
 しているのか(eg. SST Dipoleに対する大気の応答は北大西洋のSST Tripoleをつくるの 
 か、またそれらの中高緯度でのSSTアノマリは大気に対するlow-pass filterとして働く 
 のか)、簡単な混合層モデルを結合させたAGCMによる実験結果を紹介するつもりである。 
  
  
 次回の発表者  阿部 睦  (気候モデリング講座 M2)  12/8(木) 

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連絡先

伊藤 頼 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻大循環 / 気候モデリング講座
mail-to:yori@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2357