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第 54 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:1999年 12月 20日(月) 午後 14:00 〜 16:00 (いつもと時間が違います)
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講堂

発表者:下田 啓 (気候モデリング講座 M2)
題 目:中高緯度における天候レジームに対する力学的解釈

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中高緯度における天候レジームに対する力学的解釈 (下田 啓) 発表要旨 :

 大気の季節内長期変動には、PNAなどの特徴的なパターンを示す 
 天候レジームが存在する。天候レジームの力学については解明 
 されていないが、大気に内在する励起されやすい固有のモードが 
 現れているとする解釈が有力である。 
  
 前回、レジーム現象を有する最も単純な系であるロレンツ 
 システムを用いて、EOF 解析とSVD 解析を行いレジームが 
 固有モードで説明できることを示した。 
  
 そこで今回は、北半球の現実地形を入れた準地衡順圧渦度方程式 
 β面チャネルモデルというロレンツシステムよりもやや複雑な 
 モデルを用いて数値実験を行った。 
 本研究では強制力として約5m/sから50m/sまでの10通りの東西風を与え 
 約500日数値積分した。 
  
 実験結果 
 時間平均場において、弱い東西風で定常解が見られ、 
 徐々に東西風を強くすると準周期解、周期解へ移行した。 
 また、線形応答との比較も行った。 
  
 今後、今回より複雑な変動を起こることを期待して 
 エクマン粘性係数を半分にする実験を行う予定である。 

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連絡先

伊藤 頼 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻大循環 / 気候モデリング講座
mail-to:yori@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2357