****************************************************************************************************************

第 77 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2000年 9月 4日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講堂

発表者:前田 浩一 (気候モデリング講座 M2)
題 目:オホーツク海高気圧と上層のブロッキングの形成機構

****************************************************************************************************************

オホーツク海高気圧と上層のブロッキングの形成機構 (前田 浩一) 発表要旨 :

 「気候変動」という言葉を聞いて、みなさんはどういうことを思い浮かべる 
 でしょうか? この言葉が一般的に使われるようになってきましたが、みなさん 
 は身近に感じることはあるでしょうか? 今回は、その様な疑問から出発し、私 
 の研究テーマである「オホーツク海高気圧」につながる背景についても、お話 
 したいと思います。 
  
 米不足となった1993年のような冷夏の年には、オホーツク海高気圧が発生し持続 
 する。この生成メカニズムを明らかにすることは、気候変動の解明や長期予報の 
 精度を高める上でも重要である。本研究では、オホーツク海高気圧の形成には上 
 層のブロッキングが重要であると考え、北半球循環場の変動の一部としてオホー 
 ツク海高気圧を位置付けることにより解析を行っている。 
  
 本研究では、(A)上層のブロッキングと地上高気圧が発生 (B)ブロッキングのみ  
 (C)地上高気圧のみ、の3タイプに分類して解析を進めている。この3タイプの水 
 平構造や鉛直構造を詳細に調べ、又その時間経過による変化を比較検討するこ 
 とにより、オホーツク海高気圧の形成機構が明らかになりつつある。 
 さらに、EP-fluxを計算することにより、これらのブロッキングがロスビー波の 
 伝播によって形成されたものかどうか、またその波源を検討中である。 
  

-----
連絡先

稲津 將 / 西浜 洋介 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻大循環力学 / 気候モデリング講座
mail-to:inaz@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2298