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第 84 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2000年 10月 4日(水) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104
発表者:大畑 めぐみ (気候モデリング講座 M2)
題 目:炭酸カルシウムの溶解に注目した海洋堆積過程に関するモデリング
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炭酸カルシウムの溶解に注目した海洋堆積過程に関するモデリング (大畑 めぐみ) 発表要旨 :
古海洋を研究するに当たって堆積モデルを用いる理由は以下の通りである. 1)堆積層では生物活動によって有機物が溶けて全炭酸とアルカリ度が変化し, 方解石(炭酸カルシウム)が溶解する.すると層内の全炭酸やアルカリ度の濃度 が海底よりも高くなり,堆積層から海水中へ拡散が起こる.従って,海洋は堆 積層と相互作用をしている.なお,この作用が氷期pCO2を低下させたと言う仮 説(D.Archer & E.Maire-Reimer,1994)もあり,物質循環に堆積過程を組み込む ことは重要である. 2)古環境を記している堆積コアが,様々な海域で採掘されている.このコアは 海底へ降って来た方解石などが層状に堆積した物であるが,堆積層中の化学反 応や生物活動が起きることで,海底に降る量に対する最終的な堆積の割合は一 定ではない.そこで,堆積コアの経過時間を知るには,より正確な堆積過程を 再現する必要がある. 最近では,堆積モデルを用いて現在と氷期の海洋物質循環を考えた研究が行 われている(e.g.,Heinze & Maier-Reimer,1999).しかしながらモデルの結果 では観測で得られた方解石の含有率分布を再現できていない海域もある.こ の原因は,彼らのモデルで海洋の流れ場がうまく再現できていないために, 海洋中の全炭酸やアルカリ度の濃度分布がうまく得られていない影響ではな いかと考えている. そこで今回の発表では海洋物質循環モデル(Yamanaka & Tajika,1997)で得られ た全炭酸やアルカリ度を用いて堆積モデル(D.Archer,1991)を計算し,堆積モ デルの再現性を調べた結果を示す.また,より計算能力を上げるためのモデル 開発についての取り組みについても触れる予定である.
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