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第 93 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2000年 11月 15日(水) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104
発表者:久保田 敬二 (地圏専攻 地球雪氷学講座 M2)
題 目:パタゴニアの降水に影響を与える循環力学的背景
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パタゴニアの降水に影響を与える循環力学的背景 (久保田 敬二) 発表要旨 :
南米大陸の南緯40度以南はパタゴニア地方と呼ばれる。この地域の気候の特 徴は偏西風の影響により、アンデス山脈の西側の海岸部では年降水量4000mm、 山岳部では10000mm(藤吉、1987)を越えるといわれ、世界でも有数の多雨地域 である。それに対して、アンデス山脈の東側では、年降水量が200mm〜300mm 程しかなく、パンパと呼ばれる、草原または砂漠が広がっている。もう一つ の気候の特徴は降水量の経年変動が大きいことである。この研究の目的はこ のような多雨がどういった、大気循環によるものなのか、また、大きな経年 変動にはどのような、循環力学的な背景があるのか調べることである。 今回の発表では、パタゴニアの気候学的な特徴を中心に発表します。 具体的には、 1、30地点の観測地点の降水量データに基ずいた、降水量の水平分布、 2、季節変動から2つのタイプ別にわけ、クラスター分析法により求めた チリ降水量指数(CPI)(1862-1990)とアルゼンチン降水量指数(API)(1862-1990) 3、NCEP再解析 Daily data(1979-1990) から求めた、水蒸気フラックスと可降水量 4、NCEP再解析 Monthli data(1948-1990)から求めた、主な気象要素の気候値 5、CPI、ARIとSOIや主な気象要素、水蒸気フラックス、可降水量との相関を調べた結果 これらについてを発表するとともに、今後の方針も話をするつもりです。
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