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第 135 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2002年 7月 1日(月) 午後 18:30 〜 20:00(時間が変更されています!)
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104
発表者:増田 良帆 (気候モデリング講座 D3)
題 目:亜熱帯ー亜寒帯の循環境界を横切る水塊の移動について
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亜熱帯ー亜寒帯の循環境界を横切る水塊の移動について (増田 良帆) 発表要旨 :
太平洋中緯度域では,北半分に反時計回りの亜寒帯循環, 南には時計回りの亜熱帯循環が存在している. この循環は風応力によって駆動されており,風応力の分布が 2つの循環の境界を決定する.循環の第0次近似とも言えるSverdrup バランスの理論に従うと,鉛直積分すれば,循環境界を横切る流れは存在しない. しかし,実際には循環境界を横切る水塊の存在が観測,理論の双方から示 唆されている. 両循環の間を横切る水塊の移動場所,移動量,移動を起こすメカニズム を特定するためにGCMに於て粒子追跡実験を行った. 実験では(1)sin型の理想的な風応力を与えた場合と, (2)風応力の無い場合の2つを行った.(2)は表面に与えられた密度flux によって駆動される流れの影響を確認するのが目的である. (1)ではモデルの東半分に於て亜熱帯から亜寒帯へと移動する粒子が存在した. 亜寒帯に移動した粒子は鉛直流によって上昇して行き, 海表面に存在するエクマン層迄達すると南向きに輸送され, 亜熱帯循環へと帰って行く.亜寒帯に於ける滞在時間は約20年程度であった. 循環境界を横切る北向の流量は,エクマン流によって南向きに輸送される量に ほぼ等しい. (2)では上層で北東向の流れが存在し,下層にそれと逆向の傾圧的な流れが存 在する.しかしその流量は風応力のある場合に比べると小さいものであった. (1),(2)の双方で東岸境界の近傍,深度400m辺りに亜寒帯から亜熱帯への 流れが存在した.その流量は1Sv程度である. この流れの形成にはSumata(2001)で示唆された東岸の混合層による メカニズムが寄与しているものと思われる.
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