****************************************************************************************************************

第 144 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2003年 6月 9日(月) 午後 16:30 〜 17:30
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104

発表者:大島 和裕 (気候モデリング講座 D2)
題 目:対流圏における水蒸気輸送の変動特性

****************************************************************************************************************

対流圏における水蒸気輸送の変動特性 (大島 和裕) 発表要旨 :

  
  全球的を対象とした水蒸気輸送に関する研究として,Chen et. al(1985), 
 Peixoto and Oort(1992)等があり,定常・非定常成分の水蒸気輸送が示され 
 ている。しかし,非定常成分がどのような現象に伴った輸送かと言った研究 
 はなされていない。そこで水蒸気輸送の時間スケールを調べ,どのような現象 
 が水蒸気輸送に関連しているのか検討した。 
  ECMWF客観再解析データにより,水蒸気輸送(鉛直積分した水蒸気フラックス) 
 について4つの時間スケール:経年変動(1.5年以上),季節変動,季節内変動 
 (20-60日),総観規模変動(2-10日),の全変動に対する寄与を求めた。その結果, 
 東西・南北いずれの輸送についても,これら4つの時間スケールによって, 
 全変動の7割弱が説明できることがわかった。それぞれの時間スケールについて, 
 経年変動はENSO,季節変動はモンスーン,総観規模変動は総観規模擾乱と関連 
 していると考えられる。また,北極域では季節内変動による水蒸気輸送が大きい 
 ことが示唆される。このような季節内変動については現象との関連づけが今後の 
 課題である。 
  

-----
連絡先

橋岡 豪人 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻大循環力学 / 気候モデリング講座
mail-to:hashioka@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2298