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第 146 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2003年 10月 27日(水) 午後 17:00 〜 18:00
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104
発表者:梶谷 卓志 (大循環力学講座 M2)
題 目:水同位体GCMを用いた水循環に関する研究
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熱帯域での降水活動の周期性 (梶谷 卓志 ) 発表要旨 :
南米大陸のアマゾン域の降水では夏の雨期と冬の乾期がほぼ毎年繰り返される. これに関して、Wang and Fu (2002) は、南半球の夏〜冬にかけての雨期から 乾期の交替には南アメリカ北西部での南北風の変化に伴う降水帯の移動が強く 関連していることを指摘している.しかしながら、気候学的な季節変化におけ る風と降水との因果関係についてはもとより、降水の季節変化の特徴やその特 徴が生ずる要因についてはまだ詳しく述べられていない点がある. そこで、本研究ではまず降水が季節的にどのように変化するかを、熱帯降雨観 測衛星TRMM を使用して、南米大陸・大西洋・アフリカ大陸と比較しながら確 認した。アフリカ大陸上では太陽高度の季節変化に同期して降水量の極大域が 南北に移動するのに対し,南米大陸上の降水の季節変化では南半球の夏から冬 への北進は見られるものの,冬から夏への南進はほとんど確認されない.この 結果がTRMMに特異なものかを確認するため、TRMM 以外の観測データや再解 析データ、AGCM の結果などを用いて比較検証してみた。すると、観測データ では TRMM 同様の降水の季節的な変動が見られたが、再解析データではうまく 表現されていないことが分かった。CCMR/NIES AGCMのコントロールランで は比較検証し得る結果が出てきた。そこで,降水の季節変化の原因を考察する ために、AGCMの結果を用いてモデルの中で生じている南米大陸上における降 雨の季節変化を詳しく見ることにした。結果についての詳細は発表で示す。
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