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第 147 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2003年 10月 27日(水) 午後 17:00 〜 18:00
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104
発表者:窪瀬 健太郎 (大循環力学講座 M2)
題 目:熱帯SSTの変動に対する対流性上層雲の応答 〜control runによる雲システムの考察〜
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熱帯SSTの変動に対する対流性上層雲の応答 〜control runによる雲システムの考察〜 (窪瀬 健太郎 ) 発表要旨 :
非静力学モデルで熱帯海洋上にできる積雲の雲システムを調べた。 これまで大気大循環モデル(GCM)の中でパラメタライズされてきた積雲対流は、 実はロ−カルなSSTとラ−ジスケ−ルの大気の運動によって決まる大気の熱力学 的特性に影響を受けているのではないかという見方が出てきた。Lau et al.(19 97)は、仮想的なサンプルを使ってラ−ジスケ−ルの流れを取り除くことによっ て積雲対流のSSTに対する感度が低くなったことを示した。Tompkins and Craig (1999)は雲粒や雨粒などの衝突・併合過程を考慮した雲微物理過程を含んだ雲解 像モデル(CRM)を使って同様のことを示した。一方、Lindzen et al(2001)は雲微 物理過程を考慮すれば、熱帯SSTの変動による対流性上層雲の増減が現在のGCMが 示す温暖化時のフィ−ドバックに影響を与えるかもしれないということを観測結 果と簡単化したBOXモデルから示唆した。 いずれにせよ、非静力学モデルからロ−カルなSSTと積雲上層からデトレインメン トされた対流性上層雲との関係を明らかにしているものは見当たらない。 そこで本研究では、非静力学モデル(ARPS)を用いて雲微物理過程を考慮したSSTの 変動に対する対流性上層雲のふるまいが気候変動に与える影響について調べていく。 今回の発表では、SSTを300Kにしたときのコントロ−ル実験で得られた結果から、 積雲の雲システムについて調べた結果を紹介する。
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