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第 177 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2005年 10月 31日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 2階 講堂
発表者:樋口 麻衣 (大循環力学講座 M2)
題 目:夏季中緯度北太平洋上に発生する下層雲のマルチモデルシミュレーション
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夏季中緯度北太平洋上に発生する下層雲のマルチモデルシミュレーション (樋口 麻衣) 発表要旨 :
下層にできる層状の雲は短波放射を反射する効果が大きく、 正味で地球を冷却していると考えられている。 しかし雲放射強制の見積もりは研究によってまちまちであり、 それは雲量の見積もりのばらつきに起因するため、 下層雲の振る舞いを解明することが重要となる。 Klein and Hartmann(1993)は全球の下層雲が卓越する領域で、 観測による雲量と大気の静的安定度、放射強制の季節変動を調べた。 そしてほとんどの領域において静的安定度と雲量には正の相関があり、 雲量が多い季節は正味の放射強制が負であり、 特に負の雲放射強制は夏季中緯度で大きいことを示した。 そこで本研究では夏季中緯度北太平洋に発生する下層雲に着目し、 全球モデル(CCSR/NIES AGCM ver.5.6)と雲解像領域モデル (CReSS ver.2.1)を用い比較、評価を行う。 全球モデルの結果については季節平均量は Klein and Hartmann(1993)と 同様の関係が示された。 領域モデルでは全球モデルのある格子点値を初期値として与えた場合の 初期実験の結果を報告する。
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