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第 183 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2006年 10月 16日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 A棟 講堂
発表者:松田洋介 (大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:季節予報における海面水温予測の重要性について〜2005/2006年冬季の事例〜
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季節予報における海面水温予測の重要性について〜2005/2006年冬季の事例〜 (松田洋介) 発表要旨 :
大気大循環モデル(AGCM)を用いた予報は初期依存性が強く,季節予報は大気に比べ ると比較的緩やかに変動する海面水温(SST)を境界条件に用いることで,1ヶ月,3ヶ 月先の天候の大まかな予測を行なっている。現在各国の現業機関では,大気海洋結合モ デルやAGCMを用いてSSTの与え方を工夫し季節予報を行なっているが,その精度は良 いとは言えない。 一方SSTの与え方に注目した季節予報の研究は多く成されており,Goddard and Mason(2002)は3ヶ月予報を,日々の観測SST偏差を用いた場合とSST偏差を初期日のも のに固定した場合の2つの実験を行い,SSTの与え方の違いによる結果の差を調べた。 彼らは,SSTの偏差を固定して加えた場合,観測SSTを用いた場合と比べて,再現性は 良かったものの地域によっては精度が落ちることを報告している。 そこで本研究では,特徴的な大気循環場を示した2005/06の冬季について,AGCMを 用いてその時期のSSTが大気に及ぼした影響を調べ,SSTが予報に与える影響について 検討する。現在は,観測値SST,気候値SST,SST偏差を初期値に固定した場合の3通り の与え方でを20メンバーのアンサンブル実験を行なっており,その結果を報告する。
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