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第 213 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2010/11/10(水) 15:30 -- 18:00
場 所:環境科学院 D201講堂

発表者:本間 有慈(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:MJOに伴う東アジア域の降水変動の解析

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MJOに伴う東アジア域の降水変動の解析(本間 有慈) 発表要旨 :

    熱帯における季節内振動であるMJOが発見されて以来,その力学や様々な気象・気候現象への影響が研究されてきた.
また,MJO自体は熱帯の現象であるがその影響は中・高緯度にまで及ぶことが知られている.東アジア域に目を向けると,
MJOに伴う降水の変動に着目した研究がなされている(Jeong et al. 2008 , Zhang et al. 2009)が,これらの研究では
定点観測データを用いておりMJOに伴う降水変動の空間パターンは十分明らかになってはいない.
   そこで本研究の目的は,雨量計観測を基にした日降水量格子点データ(APHRODITE  V1003R1)を使用し,東アジア域の
降水に対してMJOがどのような影響を及ぼすのか,統計的手法によりさらに詳しく調べることである.Wheeler and Hendon(2004)
により提唱されたreal-time multivariate MJO indexを基にしたMJOの位相ごとのコンポジット解析では夏季にMJOの位相が
西太平洋の時,大陸北東部及び北海道で有意な降水量増加のシグナルが示唆された.
   今後は,降水日数や大雨の頻度はMJOによって影響を受けるのかどうか,また降水変動はどのような原因で引き起こされるのか
という点に着目して解析を進めていく.

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連絡先

北海道大学大学院 環境科学院
地球圏科学専攻 大気海洋物理学・気候力学コース
干場康博
E-mail:h-dragon@ees.hokudai.ac.jp