****************************************************************************************************************

第 216 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2012/10/23(火) 15:00 -- 17:00
場 所:環境科学院 D201講堂

発表者:新井 徹(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:花粉センサを利用した雲粒子ゾンデの開発

****************************************************************************************************************

花粉センサを利用した雲粒子ゾンデの開発 (新井 徹) 発表要旨 :

雲は気象に様々な影響を及ぼす。代表的な影響として、「雲発生に伴う熱の影響」
、「放射に対する影響」、「水循環に対する影響」などが挙げられる。このよう
に雲は気象に様々な影響を与えるため、気象モデルにおいても重要な役割を果た
す。気象モデルの精度を向上させるためには、雲の中の物理量の観測が必要であ
るため、これまでも様々な観測手法が提案されてきた。それらの手法の中の一つ
であるゾンデ観測は、高高度まで雲の鉛直プロファイルを観測できる重要な測定
手法である。雲観測用のゾンデ搭載機器は、従来も開発されてきた。代表的な機
器は、雲粒子をフィルム上に捕捉するHYVIS(Murakami and Matsuo 1990)や、雲
粒子をCCDカメラで撮影するビデオゾンデ(Takahashi 2010)などである。しかし、
これらは大掛かりで高価な測器のため、観測数が制限されてしまう。本研究は大
量生産された機器を改良する事で、従来よりも安価な測器の開発を目標とする。
今回の発表では、現状の機器の出力特性を把握するために行った室内実験と、実
際に野外の霧の中でセンサの出力を検証した観測結果を発表する。また、それら
の実験や観測から明らかになった現状の機器の問題点と、それに伴う機器の改善
点に対する考察についても発表する。

-----
連絡先

北海道大学大学院 環境科学院
地球圏科学専攻 大気海洋物理学・気候力学コース
池川慎一
E-mail:Ishinichi@ees.hokudai.ac.jp