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第 220 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2012/10/30(火) 15:00 -- 17:00
場 所:環境科学院 D101
発表者:山木 望愛(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:熱帯対流圏界層内における脱水過程の研究
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熱帯対流圏界層内における脱水過程の研究 (山木 望愛) 発表要旨 :
水蒸気は、地球の放射エネルギー収支に大きな影響をもち、OHを介して オゾン光化学過程に関与するため、地球温暖化やオゾン層破壊を考える上で、 その変動の解明は重要である。成層圏に流入する水蒸気量の評価には、Cold Point Tropopause (CPT)における飽和水蒸気混合比がしばしば使われるが、 大気波動に伴う断熱上昇により成層圏内にCPTが位置することがあるため、 Selkirk et al. [2010]はTropopause Saturation Layer (TSL)を定義して 成層圏に流入する水蒸気量を評価した。しかし、彼らの解析は北半球夏季 熱帯東部太平洋のデータに限られており、Tropical Tropopause Layer (TTL) が最も低温の冬季熱帯西部太平洋におけるTSLの有効性の検討が必要である。 一方、TTLでの脱水過程についてEguchi and Shiotani (2003)は、季節内振動 (ISO)に付随するケルビン‐ロスビー波結合系の温度と流れの変動が重要であ ると示唆している。本研究では、Soundings of Ozone and Water in the Equatorial Region (SOWER)のオゾンゾンデ、鏡面冷却式水蒸気ゾンデデータ を用い、気候学的な変動の寄与とISOなどの事象の寄与の観点からSelkirk et al. [2010]の研究を発展させるとともに、脱水過程に対する波動の寄与を調 べることを目的とする。 Eguchi and Shiotani (2003)に従い、SOWERデータの得られた時期のISOの 位相をOLRデータにより同定したところ、2008年1月にISOが観測直前に Kototabang、Biakを通過していたため、今回の発表では2008年1月の西部太平洋 におけるTSLの検討と波動の寄与について報告する。今後は上記の結果と流跡線 解析を組合せることにより、大気塊の温度履歴にも注目して脱水過程の詳細を 調べたい。
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