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第 254 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2018/10/17(水) 14:00 -- 15:00
場 所:環境科学院 D101
発表者:落合 展大(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:中央から東シベリアにおける森林火災の発生環境と大気汚染物質の日本への輸送
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中央から東シベリアにおける森林火災の発生環境と大気汚染物質の日本への輸送(落合 展大) 発表要旨 :
森林火災は微量ガスや大気エアロゾルの重要な発生源の一つである。その中でも中央から東シベリア で発生する森林火災は大きな発生源の一つであり、全球のバイオマス燃焼に大きく寄与していることが 分かっている(van der Werf et al. 2010)。Ikeda and Tanimoto (2015)により、2003年と2008年の大規模 森林火災により発生した大気汚染物質が北海道に飛来していることが確認された。シベリアの森林火災 で発生し日本へ輸送される大気汚染物質の年々変動を理解するためには、中央から東シベリアにおける 発生環境を把握し、大気汚染物質の日本への輸送過程を考察する必要がある。しかし、環境省による大 気汚染物質の測定年数は短く、過去から現在までの長期的な大気汚染物質の推移を知ることは困難であ る。また測定局の分布は地域的なばらつきが大きい。そこで本研究では、大気汚染物質の長期的な推移 を解析することが可能で、空間的な均質性を持つ再解析データセットであるMERRA2を用いて、火災発 生地域の環境やエアロゾルの輸送過程を明らかにすることを目的とする。MERRA2は大気大循環モデル であるGEOS-5にTerra/Aqua衛星から得られたAOD等を同化して作られた再解析データセットである。 期間は1980年から現在までであり、空間解像度は0.5°×0.625°である。まず、シベリアで放出された大気 汚染物質が日本に飛来していることが分かる2018年4月の事例を紹介する。さらにシベリアで大規模な森 林火災が生じた際に、大気汚染物質が日本に飛来した例としなかった例を比較したところ、風向場や火災 の発生場所に違いがあることが分かった。 本発表では、シベリアにおける森林火災の発生環境を考察した結果を主に発表する。対象地域を火災が 頻繁に発生する4地域に分割し、土壌水分や積雪の気候値の分布と大気汚染物質の濃度の関係を考察した。 その結果、高緯度や深積雪地域では8月に高濃度が出現するのに対して、低緯度側や雪の少ない地域では 5月に高濃度が見られるという事が分かった。
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