フロリダ州立大学留学記

小林 慈英 (修士課程2年 / 滞在時

私は日本学生支援機構(JASSO)の海外派遣プログラムで11月中旬から1か月間、フロリダ州立大学に滞在し、Doron Nof教授の下で研究を行い、学内ではセミナー発表を行いました。

フロリダ州立大学での研究とセミナー発表

FSUにて Doron Nof教授との一枚
セミナー発表する私

私は「閉じた矩形海洋における渦の軌跡とその軌道決定メカニズム」というテーマで研究を行っています。出国前に既に研究がある程度進んでいたため、フロリダ州立大学(以下FSU)では、まず研究結果に関する議論を中心に行い、そのフィードバックを得て、さらに研究を進めるという形をとりました。Doron Nof教授、Bruno Deremble教授らと境界の影響を受けて運動する渦に関して議論を行い、そのフィードバックを得て、研究を進めました。

滞在して3週目にFSUにて1時間のセミナー発表を行いました。英語での発表及び質疑応答を行うのは初めてでしたが用意したスライドをしっかり説明し、時間内に無事に終えることができました。質疑応答ではWilliam Dewar教授らが矢継ぎ早にどんどん質問してきてくださり、大変よい経験となりました。終わってみるとあっという間の1時間でした。英語で発表を行う上でいくつか改善点も残りましたが、アメリカのプロの研究者らに自分の発表を聞いていただくという素晴らしい体験をすることができました。

最終週には夜行バスでFort Lauderdaleという街へ訪れ、Voldymyr Zharkov博士と6時間に渡る議論を行いました。また、FSUで勉学に励む博士課程の学生らとも多くの議論を行いました。FSUでの研究と多くの議論を通して、なんとか英語で研究内容を語り合えることがわかり、大きな自信となりました。アメリカの研究者や学生らと英語でディスカッションを行えたことは今後の研究を続けていく上で必ず活きてくると思います。

タラハシーでの生活

タラハシーの美しい湖Lake Ella
FSUの博士課程学生のPh.D Defense合格祝いのパーティにて

今回の留学が私にとって初めてのアメリカ滞在となりました。フロリダと聞くとビーチやディズニーリゾートをイメージすると思いますが、私が訪れたのはフロリダのタラハシー。飛行機から見下ろした時はまさにジャングルとしか言いようがない光景で大変驚きました。大学、博物館、ショッピングセンターなどがある中心地、周辺には多くの森や湖が分布しています。学問に集中でき、自然あふれるのどかな素敵な場所でした。

私は平日にはほぼ毎日大学へ行き、研究や議論を行いました。土日にはFSUの学生らとランニングやサイクリングを楽しんだり、FSUに勤めるプログラマーやデザイナーの方らと観光地に出かけたり、パーティに参加したりしていました。アメリカ人は本当にパーティが大好きです。Thanks Givingやクリスマスだけでなく、冬至や冬がやって来たことを祝うパーティなどもあり、誘われたものに全て参加し、パーティ疲れを起こしたのはいい思い出です。

タラハシーの有名な観光地、ワクラススプリングスではボートクルーズでアリゲータやマナティを見ることができ、広大な自然を満喫しました。また、アメリカでは食べ物が全て脂っこくて美味しくないと思っていましたがむしろ美味しい食べ物が多くてびっくりしました。ボリュームが凄まじいものもありましたが・・・笑

最終週にはフォートローダデールに滞在している海洋渦の研究者 Voldymyr Zharkov博士とのディスカッションのため、夜行バスで10時間かけて移動し、次の日の夜に再び夜行バスでタラハシーに帰還するという旅を敢行しました。夜行バス内は意外と安全で一緒に乗り合わせた黒人さん達とのほほんとバス旅を楽しんでいました。フォートローダデールではZharkov博士と白熱した物理の議論を行い、その後は美味しい食事とビーチでの海水浴を楽しみました。12月に海水浴をしたのは生まれて初めてでした。

最後に、英会話に関して。私は学部生の頃よりスカイプを用いたオンライン英会話を行ってきていたため、自分の言いたいことを話す分には不自由を感じませんでした。ただ、驚いたのは発音の違い。FSUには様々な国から学生がやってきます。そのため、訛りや発音の違いなどが人によってかなり大きかったです。しかしそれはお互い様。私の英語も日本人訛りだったはずです。ですが、滞在中そのようなことは大した問題にはなりませんでした。何よりも大事なのは話す気合です。お互い真剣に話していれば大体のことは伝わります。気負わず、楽しく英会話すればよいと思います。

最後に

今回の旅では研究やディスカッションを楽しむことができ、非常に良い経験を得ることができました。日本とは違う様々な文化や雰囲気、そういったものを存分に味わうことができ、視野が大きく広がったと思います。留学して本当に良かったなと思いました。良い経験をさせていただき、指導教官の久保川先生と留学の手続きの多くを行っていただいた谷本先生や秘書の方々に感謝いたします。

環境科学院にはこんな素敵な留学機会があるのだからぜひ後輩の方にも留学してみてほしいなと思います。

留学、楽しいですよ!

2016年2月